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ニッポンコリア友好平和協議会

会長 川口清史

私たちは戦時下、日本に植民地統治されていた朝鮮半島出身者で殉難された方々を慰霊し、日本と韓国・北朝鮮ひいては世界の友好と平和を願う活動をしている市民と宗教者の団体です。京都府最南端の南山城村にある韓国仏教の「高麗寺」境内に建つその慰霊碑・友好平和の塔の前で毎年慰霊と平和祈願の祭礼を40年以上行っています。

1937年からの日中戦争、そして1941年からの太平洋戦争と長く続いた戦争によって、日本、そしてアジアの多くの人々が犠牲を受け、亡くなりました。1945年の敗戦後、日本は人権と民主主義を大切にし、平和を求めて二度と戦争をしない国になることを世界に誓いました。今年2025年はそれから80年となる節目の年です。改めて過去を振り返り未来へと進んでいく機会にしなければなりません。

戦時下、植民地統治下にあった朝鮮半島からも多くの人が、徴兵や徴用など、様々な形で戦争に動員されました。日本軍の兵士や軍事要員として、工場や鉱山、工事現場などの労働者として、また日本軍「従軍慰安婦」として戦争に直接間接に参加させられ、多くの被害者を出しました。これらの人々の中で多くの方が亡くなられ、しかも遺骨が放置され、慰霊すらなされていないという状況すらあります。また帰還された方々への補償も全くされていないもしくは極めて不十分な状況にあります。平和を誓ったはずの日本が最も近い国である韓国並びに北朝鮮と友好的な関係を築けていない大きな原因は、こうしたことが80年もの長きにわたって放置されてきたことにあるでしょう。

高麗寺の慰霊碑・友好平和の塔は、故郷に埋葬されることなく厚生省に保管されていた日本軍朝鮮人軍人軍属の遺骨を納め慰霊するために建立されました。ご遺骨を納めることはできていませんが、1160名のお名前を記した標柱をお納めし、慰霊しています。

 私たちはこの塔と慰霊・友好の祭礼を次の時代へとつないでいくためのご支援もお願いしています。今年10月には戦後80年日韓国交正常化60年の記念の慰霊・友好平和の祈願祭を行います。皆様のご参加を心からお待ちしています。

 

2025年5月

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ニッポンコリア友好平和協議会

​理事長 富永 勇

太平洋戦争を含む植民地政策36年間に、軍人、軍属、挺身隊、炭鉱夫、工事現場作業員として、主として生活苦のためやむを得ず玄海灘を越え、戦地、軍需工場、震災地、トンネル掘削現場で、空襲、流言飛語、事故、重労働、栄養失調、病気のまま十分な手当ても受けられず、望郷の念を抱きながら日本各地で朽ち果てて見捨てられたままになっていたコリア半島出身無縁仏の遺骨を収集安置して、毎年10月に民族寺院高麗寺にて慰霊祭を30年以上続けています。

戦後も70年が経過し、植民地時代をめぐる国と国との懸案は日韓基本条約で『最終且完全に』解決したかのように見えますが、強制性のある従軍慰安婦への謝罪方法等の過去の戦後処理だけでなく、今もなお続く戦後未処理問題があります。

例えば、定住外国人の社会的地位向上の為に地方参政権を付与するかどうか、就職差別を無くす為に公務員採用の門戸開放を行うことが出来るかどうか、博士号保持者がパチンコ店で働くことの奇異、老齢年金を支給しないままに該当者の死を待ちつづけるかどうか等、建前だけでの合意文書、国内法(国籍条項)での処理だけでは真の友好平和関係が築かれるはずもありませんし、しこりも残り続きます。民間人同士の交流とその肉づけが無ければ単なるお題目だけに終ってしまいます。

  一衣帯水の両国国民が過去の歴史を真摯に究明し、認識を共有して、そして、行動し、くびきを解き放つことによって、未来志向の立場にたって相互理解を深め、相互扶助関係を高めて行くことが北東アジアの安定、ひいては世界平和に貢献できるものであり、そのことが殉難者御霊に報いることだと信じます。

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